増田法律事務所ブログ

任意後見(その3) 任意後見人の権限の範囲について

2012.05.24

大阪市北区 増田法律事務所 弁護士 増田勝洋 気になるトピック!

 任意後見制度を利用する者は、任意後見人に対してどのような権限を与えることができるでしょうか?

 任意後見制度は、精神上の障害(認知症・知的障害・精神障害等)により判断能力が不十分な状況における本人の生活、療養看護または財産の管理に関する事務について、任意後見人に代理権を付与する委任契約ですから、その委任事務の対象は、本人の生活、療養看護または財産の管理に関する法律行為に限定されます。
 しかし、その範囲内では、任意後見契約における委任者(本人)は、自己の生活、療養看護または財産の管理に関する事務(法律行為)の全部または一部について、自由に範囲を定めて、任意後見人に代理権を付与して、その事務を委託することができます。
 具体的には、本人の預金の管理、不動産その他の重要な財産の処分(売買契約や賃貸借契約の締結等)または遺産分割等の財産の管理に関する法律行為のほか、施設入所契約や医療契約の締結等の生活または療養看護(身上監護)に関する法律行為の全部または一部などです。

 但し、代理権付与の対象となる事務である以上、その事務は契約等の法律行為に限られます。
 ですから、任意後見契約の発効後に介護サービス等の事実行為を希望する場合には、まず、介護契約の締結に関する代理権を付与した契約を締結しておき、その後、任意後見人が本人の代理人として介護サービス提供者と介護契約を締結した上で、その提供者が本人に対して介護サービスを提供する事実行為を行うということになります。

投稿者:増田法律事務所

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